ファーストリテイリングのインターンのES添削します!(3)|必要のない文章を削ぎ落とし、伝えたいことを突き詰める!

ファーストリテイリング、インターンのエントリーシート3問目
添削していきたいと思います!
今回のインターンに応募した理由を教えてください。(300~600字以内)
学生S君から送られてきた文章はコチラ。
企業の課題を解決する過程を経験したいです。と言うのも、課題を解決する事は全ての業務内容を経験する事が出来るからです。 私が今までに経験した業務内容は、所謂企画構想・運営、営業、コンサルティングです。企画に於いては、インターン先で有名企業と共にビジネスコンテストを立ち上げ、営業では教育関係のコンテンツを企業の採用係に向けて提案し、月に数十万の売上、コンサルティングについてはカンボジアでのインターンの際のホステルへの事業の提案を行いました。 しかし、全てのフェーズを一度の機会に行った事は無く、又その過程にある業務も経験したことがありません。一連の流れを経験する事で、将来自らが経営者になった際に以上の経験を活かせると考えます。 又、グローバル企業でのインターンをする意味として、海外の人々のニーズにじかに触れることが出来る事が挙げられると思います。 将来、起業し海外展開を視野に入れる際、地域毎のニーズやその地方のどの層に対してマーケットを求めるのか、その土地での売上原価等の相場を見る機会が得られると考えています。 更にインターンに参加するからには、ファーストリテイリングの売上アップはもちろん、粗利の増加を目指して取り組みます。そしてその中でファーストリテイリングと言う企業自体の課題も見付け、改善策の提案も行います。 以上の理由から、本インターンに応募させていただきました。
解説!一刀両断!
一番伝えたいことをもっともっと突き詰めて考えてみて!
まずこの文章、そして1問目、2問目への回答を見る限り、この学生S君は相当意欲的で、色々なことにチャレンジしてビジネスの世界に足を踏み入れようとしていることが伺えます。それだけでも大きく他の学生のエントリーシートとは違う印象を与えて好印象です。
しかし、その幅広い経験や好奇心があるがために、色々なことを伝えたいという思いからか「一番伝えたいことが何なのか」これが読み取りづらくなっていると思います。
ましてや相手は多くのエントリーシートが送られてきて、全てに目を通すことが難しい採用担当者の可能性が高いです。
なので、
一番伝えたいことを冒頭にしっかりと持ってくる。
何度もいいますが、これをしっかり意識してください。
それを踏まえた上で最初の二文を見てください。
企業の課題を解決する過程を経験したいです。と言うのも、課題を解決する事は全ての業務内容を経験する事が出来るからです。
この部分。これがS君の本当にやりたいこと、伝えたいことでしょうか?
私はこの文章を見た時に、「課題を解決する過程」って、企業としては当たり前の活動であり、わざわざ言うことではないと感じています。
私自身がS君から感じたS君のやりたいことは、
しかし、全てのフェーズを一度の機会に行った事は無く、又その過程にある業務も経験したことがありません。一連の流れを経験する事で、将来自らが経営者になった際に以上の経験を活かせると考えます。
この部分から抽出できるのではないかと思います。
色々と業務を通して経験してきた。しかしそれらは局所的な仕事で、ビジネスの全体を見た経営者の視点の仕事ではなかった。ファーストリテイリングのインターンではそこが経験出来る、任せてもらいたいと感じているのではないか?
これが私がS君の文章から読み取ったS君のやりたいことなんだろうなと解釈して読ませて頂きました。
起業したいという言葉は諸刃の剣!使いすぎに注意しましょう。
S君の文章の中には「将来自らが経営者になった際に」や「将来、起業し海外展開を視野に入れる際」という起業を意識した言葉が度々登場します。
S君の思いとして、将来起業したいという思いがあることは強く伝わってきます。そしてそれは悪いことではありません。ましてやファーストリテイリングはそうした気質の学生を採用したいと思う傾向にあるので、意欲的な学生と好意的にとられることもあるでしょう。
ただし採用する担当者としては「将来やめていく可能性の高い学生をとる」というリスクを出来る限り避けたい思うのも本音だと思います。
ですので、文章で直接そういう表現を使うことを避け、内容でそれを匂わせる。
ぐらいの方がビジネスが出来る人の文章だと感じさせることが出来るのではないかと思います。
これはインターンの選考だからまだいいのですが、本採用の選考では、最終的にどちらを獲る?ってなった時に、選ばれない理由になる可能性もあることは心に留めておきましょう。
以下細かいけど、覚えておいて損はない技です。
必要のない文章は極力削ぎ落として、S君の思いを伝える文章を一つでも多く盛り込みましょう。
私が今までに経験した業務内容は、所謂企画構想・運営、営業、コンサルティングです。
赤字の部分「いわゆる」という言葉、必要ありません。
他にも幾つかあるのですが、例えば以下。
更にインターンに参加するからには、ファーストリテイリングの売上アップはもちろん、粗利の増加を目指して取り組みます。そしてその中でファーストリテイリングと言う企業自体の課題も見付け、改善策の提案も行います。
この赤字の部分も必要ありません。
「更にインターンに参加するからには」という言葉、インターンに参加することを前提に書いている文章なので不必要です。
インターンというポジションだけれども・・・というニュアンスを伝えたいのであればそう表記しましょう。
「そして」、「と言う企業自体」の言葉も削れるはずです。
売上アップはもちろん、粗利の増加を目指して取り組みます。その中でインターンの立場だからこそ見える企業の課題をみつけ、改善策の提案を行います。
などという文章の方がスッキリ見えるのではないでしょうか。
もちろん、自分なりの言葉に変えて使ってくださいね。
漢字の使いすぎはオススメしません。
S君の文章からは経験や知識が豊富にあることが伝わってきます。
しかし使わなくてもいい漢字が加わっていると「偉そう」な印象を与えかねないので、私個人としては漢字表記の必要のない言葉はひらがなにした方がよいと思います。
よく言われるのが、漢字3:ひらがな7ぐらいの比率が読みやすい文章と言われます。
S君の文章の中では
と言うのも、所謂、於いては、又、
といった部分です。
ひらがなに変えたほうが読みやすく、逆に読み手を意識した知的さを感じさせると思います。
文章のわかりづらさ、間違いは読み直して提出しましょう。
「カンボジアでのインターンの際のホステルへの事業の提案を行いました。」は意味がわかりづらいです。助詞が多いので簡潔に書いてください。
「一連の流れを経験する事で、将来自らが経営者になった際に以上の経験を活かせると考えます。」
赤字の部分の文章がつながっていません。
このような文章のわかりづらい部分、間違いの部分はしっかりと読み直して提出しましょう!